世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」|17の構成資産を巡る縄文旅

まとめ記事
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北海道から青森、岩手、秋田にかけて、縄文時代の遺跡を巡る旅をしてきました。

実際に訪れてみると、貝塚や集落跡、環状列石など、遺跡によって見どころはさまざま。周囲の景色や、併設されている博物館・ガイダンス施設なども含めて、それぞれ違った楽しみ方ができます。

このページでは、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する17の遺跡を、地域ごとに簡単に紹介します。

実際に訪問した遺跡については、現地を歩いた様子や展示、出土品などを紹介した詳しい訪問記事にもリンクしています。

次の縄文旅の行き先を探すときにも、ぜひ参考にしてみてください。


北海道・北東北の縄文遺跡群とは?

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道・青森県・岩手県・秋田県にある17の縄文遺跡からなる世界文化遺産です。2021年に世界遺産一覧表に登録されました。

評価されたのは、1万年以上にわたって続いた縄文文化の中で、人々が自然環境を上手に利用しながら定住生活を営み、集落や墓地、祭祀の場などを発展させていったことを示す遺跡群であること。

貝塚、集落跡、墓、環状列石など、遺跡ごとに残されているものが異なるため、17の構成資産を巡ることで、縄文時代の暮らしや社会、精神文化をさまざまな角度から見ることができます。

17の構成資産は、以下の4道県に分布しています。

  • 北海道:6遺跡
  • 青森県:8遺跡
  • 岩手県:1遺跡
  • 秋田県:2遺跡

さらに、17の構成資産とは別に、関連資産として北海道の鷲ノ木遺跡と青森県の長七谷地貝塚があります。

まずは、それぞれの遺跡を見ていきましょう。
年代の古いものから紹介しています。


北海道の構成資産

北海道には6つの構成資産があります。

函館・道南から千歳、伊達、洞爺湖まで、広い範囲に縄文遺跡が点在しています。

垣ノ島遺跡|北海道函館市

函館市にある垣ノ島遺跡は、居住域と墓域が分かれていたことを示す縄文時代の集落跡です。

国内最大級の「コの字形の盛土遺構」や、足形付土版などが見つかっているのも特徴。

遺跡を歩くだけでなく、近くの函館市縄文文化交流センターとあわせて訪れると、函館の縄文文化をより深く楽しめます。

垣ノ島遺跡の現地の様子を紹介


北黄金貝塚|北海道伊達市

内浦湾に面した大規模な貝塚を伴う集落跡です。

複数の貝塚だけでなく、水場の祭祀場や住居跡なども見つかっており、縄文人の暮らしだけでなく、自然への祈りや精神文化についても考えさせられる遺跡です。

実際に歩いてみると、広々とした芝生の中に復元された竪穴住居や貝塚があり、開放的な雰囲気も印象的でした。

北黄金貝塚の現地の様子を紹介


大船遺跡|北海道函館市

大船遺跡は、深さ2mを超える大型の竪穴建物跡などが見つかった大規模な拠点集落跡です。

祭祀場が発達していたことも、この遺跡の特徴。

広々とした台地から周囲を眺めながら歩くと、縄文人がこの場所を生活の拠点としていたことを想像できます。

大船遺跡の現地の様子を紹介


入江貝塚|北海道洞爺湖町

内浦湾を望む台地に位置する入江貝塚。

共同の祭祀場や墓地を支えた集落跡で、特徴的な入江式土器や、北海道では生息していないイノシシの牙を使ったアクセサリーなども見つかっています。

近くには高砂貝塚もあり、2つの遺跡をあわせて見学できるのも嬉しいところ。

入江貝塚の現地の様子を紹介


キウス周堤墓群|北海道千歳市

キウス周堤墓群は、高い土手で円形に囲まれた共同墓地です。

大きな土手がいくつも並ぶ独特の景観は、一般的な「縄文遺跡」のイメージとは少し違って見えるかもしれません。

実際に現地を歩いて、周堤墓の大きさや配置を眺めると、縄文人が多くの人で共同してこの場所をつくったことを実感できます。

キウス周堤墓群の現地の様子を紹介

高砂貝塚|北海道洞爺湖町

入江貝塚の近くにある高砂貝塚は、内浦湾に面した共同墓地です。

28基の墓坑が見つかっており、墓にはベンガラがまかれていたこともわかっています。

さらに、縄文時代の貝塚だけでなく、1663年以前の近世の貝塚も残っているのが面白いところ。

ひとつの場所に異なる時代の痕跡が重なっていることから、長い時間にわたってこの地域が利用されてきたことがわかります。

高砂貝塚の現地の様子を紹介

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青森県の構成資産

青森県には8つの構成資産があります。

大規模な集落跡から貝塚、環状列石、土偶で有名な遺跡まで、見どころが特に多いエリアです。

大平山元遺跡|青森県外ヶ浜町

縄文時代のはじまりを考えるうえで重要な遺跡。

土器や石器などが見つかっており、約1万5,000年前という非常に古い時期の縄文文化を知る手がかりとなっています。

「縄文時代」という長い歴史のスタート地点を感じられる遺跡です。


田小屋野貝塚|青森県つがる市

古十三湖に面した貝塚を伴う集落跡。

貝類や動物の骨などから、当時の食生活や周辺環境を知ることができます。

水辺の資源を利用しながら暮らしていた縄文人の生活を感じられる遺跡です。


二ツ森貝塚|青森県七戸町

海水性と汽水性の貝塚が見つかっており、環境の変化を考えるうえでも興味深い遺跡です。

貝塚から出土したものを調べることで、縄文時代の自然環境や人々の暮らしを知ることができます。


三内丸山遺跡|青森県青森市

三内丸山遺跡 竪穴住居

日本を代表する縄文遺跡のひとつ、三内丸山遺跡。

大型の竪穴建物や掘立柱建物など、多様な施設からなる大規模な拠点集落が見つかっています。

復元された建物や展示施設も充実しているので、縄文初心者でも楽しみやすい遺跡です。

三内丸山遺跡の現地の様子を紹介


小牧野遺跡|青森県青森市

小牧野遺跡 環状列石

複雑な配石構造を持つ大規模な環状列石が見つかっている遺跡です。

石を円形に並べるだけでなく、その周囲にも特徴的な配石が施されています。

実際に現地で見ると、「これをどうやってつくったんだろう?」と考えたくなる場所です。

小牧野遺跡の現地の様子を紹介


大森勝山遺跡|青森県弘前市

岩木山のふもとにつくられた大規模な環状列石。

雄大な岩木山を背景に遺跡を見ることができ、縄文時代の人々が暮らした場所と周囲の自然環境を一緒に感じられるのが魅力です。


亀ヶ岡石器時代遺跡|青森県つがる市

芸術性豊かな土偶や、多彩な副葬品が見つかった共同墓地です。

特に有名なのが、遮光器土偶。

亀ヶ岡文化を代表する土偶や漆器などの出土品を知ると、縄文時代の「芸術」のイメージが大きく変わるかもしれません。

亀ヶ岡石器時代遺跡の現地の様子を紹介


是川石器時代遺跡|青森県八戸市

竪穴建物や土坑墓、水場、捨て場などが見つかっている集落跡です。

特に漆を使った工芸品など、縄文人の高度な技術を感じられる出土品で知られています。

遺跡だけでなく、八戸市博物館や是川縄文館などとあわせて訪れるのもおすすめです。

是川石器時代遺跡の現地の様子を紹介

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岩手県の構成資産

岩手県からは、御所野遺跡が構成資産となっています。

御所野遺跡|岩手県一戸町

御所野遺跡は、墓域と祭祀場を中心とした拠点集落です。

竪穴建物の復元などから、縄文時代の集落の様子をイメージしやすい遺跡でもあります。

特に、焼けた竪穴建物跡から見つかった炭化材などから、当時の建物や暮らしについて考えられるのが興味深いところ。

御所野遺跡の現地の様子を紹介


秋田県の構成資産

秋田県には、2つの環状列石が構成資産として登録されています。

伊勢堂岱遺跡|秋田県北秋田市

伊勢堂岱遺跡 環状列石A

伊勢堂岱遺跡では、4つの環状列石が集中して見つかっています。

縄文時代の祭祀の場と考えられている遺跡で、環状列石だけでなく、土偶などの出土品にも注目です。

伊勢堂岱遺跡の現地の様子を紹介


大湯環状列石|秋田県鹿角市

大湯環状列石は、「万座環状列石」と「野中堂環状列石」という2つの大規模な環状列石からなる遺跡です。

規則的に配置された石の構造は非常に特徴的。

実際に歩いてみると、写真で見る以上にその規模を感じられます。

大湯環状列石の現地の様子を紹介


17の構成資産だけじゃない!関連資産

実は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」には、17の構成資産とは別に、関連資産として位置づけられている遺跡が2つあります。

北海道の鷲ノ木遺跡と、青森県の長七谷地貝塚です。

どちらも世界遺産の17構成資産には含まれていませんが、縄文遺跡群を理解するうえで関連する重要な遺跡として、一体的に保存・活用されています。

鷲ノ木遺跡|北海道森町

鷲ノ木遺跡は、北海道最大規模の環状列石が見つかっている遺跡です。

約4,000年前につくられたとされる環状列石は、周囲の自然環境とあわせて見ると、その立地にも興味が湧いてきます。

北海道の環状列石を訪ねるなら、ぜひ候補に入れたい遺跡です。

鷲ノ木遺跡の現地の様子を紹介


長七谷地貝塚|青森県八戸市

長七谷地貝塚は、縄文海進期の貝塚を伴う集落跡です。

海が現在より内陸まで入り込んでいた時期の環境を知る手がかりとなる遺跡で、当時の人々が水辺の豊かな資源を利用していたことがわかります。

17の構成資産とあわせて見ることで、北東北の縄文文化をより広い視点から楽しめそうです。


北海道・北東北の縄文遺跡を巡ってみよう!

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、17の遺跡をひとつずつ見ていくことで、縄文時代の暮らしや文化をいろいろな角度から楽しめる世界遺産です。

私自身、実際にいくつもの遺跡を訪れてみて、同じ縄文時代でも、遺跡によって見えてくるものがまったく違うことに面白さを感じました。

貝塚が好きなら北黄金貝塚や入江・高砂貝塚へ。

土偶や縄文土器が好きなら、函館や青森の博物館とあわせて。

環状列石を見たいなら、小牧野遺跡や伊勢堂岱遺跡、大湯環状列石へ。

ぜひ気になる遺跡を見つけて、次の縄文旅の行き先にしてみてください。

私もまだ訪れていない場所や、もう一度じっくり見たい場所があるので、これからも少しずつ縄文旅を続けていきたいと思います。

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