2026年の北海道旅行で訪れた縄文遺跡のひとつ、北黄金貝塚(きたこがねかいづか)を紹介します。
北黄金貝塚は、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産のひとつです。
北黄金貝塚

北黄金貝塚は北海道伊達市にある縄文時代前期(約6,000〜5,000年前)の大規模な集落遺跡です。
2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産として世界文化遺産に登録されました。
貝塚だけでなく、住居跡や水場の祭祀場なども見つかっており、縄文人の暮らしだけでなく、自然への祈りや精神文化まで知ることができる遺跡です。
実際に北黄金貝塚を歩いてみた
到着すると、広々とした芝生の向こうに復元された竪穴住居。
とても開放感がありました。

マップと照らし合わせてみると、写真右上の貝塚が「A’地点貝塚」ですね。広い!

北海道最大級の貝塚へ
北黄金貝塚では5か所の貝塚が確認されています。
特にA地点貝塚は縄文時代前期(約5,500年前)の貝塚で、北海道最大級の規模を誇り、貝殻の層は約1.5メートルにもなります。
この貝塚では、丁寧に埋葬された人の墓なども見つかったとのこと。

縄文時代のものではなく、今のホタテをこの場所が貝塚とわかるようにばらまいているそう。
エゾシカの骨が置かれていて、写真映えしそうなスポットです。

A地点から少し離れた場所には、B地点の貝塚があります。こちらはA地点より約500年古い、約6,000年前につくられた貝塚です。
B地点ではハマグリが多く出土し、A地点ではマガキやホタテなどが主に見つかっています。
最初は「貝の種類が違うんだな」くらいに思っていたのですが、実はこの違いから当時の気候までわかるそうです。
ハマグリは温暖な海に生息するため、B地点の貝塚がつくられた約6,000年前は現在より暖かい気候だったと考えられています。一方、A地点のころには気候が寒冷化し、マガキやホタテが多く見られるようになったとのこと。
貝塚を調べることで、約6,000年前の気候の変化が推定できるなんて、面白い!
「水場の祭祀場」

目を凝らして、すり石を探し出してみてください
ここは、北黄金貝塚を訪れるならぜひ見てほしい、特徴的なスポットのひとつです。
湧き水の近くにある水場から見つかったのは、故意に壊された石皿やすり石。
その数は、なんと1,200点以上にも及びます。
なぜ大切な道具を壊したのか。
調査からは、役目を終えた道具に「ありがとう」という感謝の気持ちを込め、供養したのではないかと考えられているそうです。
現代の私たちにも通じる考え方のように感じられて、とても印象に残る場所でした。
竪穴住居

園内には、縄文時代中期(約4,500〜4,000年前)の竪穴住居も復元されています。
これは、A地点・B地点の貝塚がつくられた時代よりも新しい住居です。
水場の近くで見つかった竪穴住居の炉にはあまり火を使った形跡がなく、普段の生活ではなく、祭祀など特別な目的で使われていた可能性があるそうです。
北黄金貝塚情報センターへ
北黄金貝塚を訪れた後は、隣接する北黄金貝塚情報センターへ。
遺跡だけではわからなかった縄文人の暮らしや文化を、出土品を通してより深く知ることができます。

すり石
館内では、水場の祭祀場から見つかった「すり石」を間近で見ることができます。

そして嬉しいポイントが、この展示のすり石はなんと実際に触れることがOK!
ガイドの方に教えていただいたのですが、この地域のすり石は、手で握る部分が作られていて、持ちやすい形になっているのが特徴だそうです。
言われてみると、関東の遺跡などで見るすり石とは形が違いますね。
地域によって道具の形にも違いがあるのは、とても興味深いです。
実際に手に取ってみると、確かに握りやすく、使いやすそうな形をしています。
「これなら木の実などをすりつぶしやすそう!」と思いましたが……やっぱり石なのでずっしり重い!縄文人は毎日これを使っていたと思うと、なかなかの重労働だったのかもしれません…笑
展示では、すり石がどのように作られたのかも紹介されていて、縄文時代の道具づくりの工夫を知ることができます。

海のめぐみ ーオットセイやイルカを食す縄文人ー

北黄金貝塚の分析調査から、この地域の縄文人の食生活は「海の幸」に大きく支えられていたことがわかっています。
中でもA地点貝塚が活発だった約5,500年前にはオットセイやイルカなどの海獣類を主食にしていたらしい…!!
現代の私たちからすると「オットセイを食べていたの!?」と驚いてしまいますが、当時の縄文人にとっては、海から得られる貴重なタンパク源のひとつだったのでしょう。
それにしても……オットセイって、どんな味だったのでしょう?
気になりますね。

ちなみに、情報センターには公式キャラクターもいます。
その名も、オットセイの子ども「オンネちゃん」!
これがとてもかわいくて、オンネちゃんの缶バッジをお土産に購入しました。
名前の「オンネ」は、アイヌ語でオットセイを表す「オンネカムイ」や「オンネプ」に由来しているそうです。
北黄金貝塚の土器

写真の上2段に並んでいるのは、北黄金貝塚から出土した縄文土器です。
どれも北海道・北東北の縄文遺跡でよく見られる「円筒土器」。この地域を代表する縄文土器の一つです。
アクセス
🗺️住所:〒059-0272 北海道伊達市北黄金町75
📍 アクセス:黄金駅(JR室蘭本線)から、🚌道南バス「伊達駅前」「洞爺湖温泉」行き「北黄金貝塚公園前」下車(約5分)、または🚗車で2分
北海道の観光地や縄文遺跡は点在しているため、レンタカーでの移動がおすすめです。
世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」
北黄金貝塚は単独で世界遺産になったわけではありません。
北海道・青森県・岩手県・秋田県に点在する17の縄文遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つです。
縄文時代の定住生活や精神文化を今に伝える貴重な遺跡群として評価されています。
まとめ
北黄金貝塚は、北海道最大級の貝塚だけでなく、水場の祭祀場まで見学できる見どころの多い世界遺産でした。
現地を歩き、情報センターの展示を見ることで、約6,000〜4,000年前の暮らしや自然との関わりをより身近に感じることができます。
北海道・北東北の縄文遺跡群を巡るなら、ぜひ訪れてほしい遺跡の一つです。
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