縄文土器がすごい博物館6選|火焔型土器から円筒土器まで、実物で見る縄文土器

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縄文土器を目的に、博物館を訪ねる

縄文時代の博物館を訪れるとき、展示室に並ぶ縄文土器をじっくり見ていくと、地域や時期によって、形や文様、装飾のあり方が驚くほど異なることに気づきます。

器としての機能を持ちながら、口縁部を大きく装飾したもの、複雑な文様を施したもの、地域独自の特徴を持つもの。

縄文土器は、当時の人々の生活だけでなく、地域間の交流や文化の広がりを考える手がかりにもなっています。

この記事では、縄文土器を目的に訪れてみたい博物館を6館紹介します。

「有名な縄文遺跡があるから」ではなく、そこでどのような土器を見ることができるのかという視点から選びました。

十日町市博物館 TOPPAKU|新潟県十日町市

国宝「火焔型土器」を実物で見る

縄文土器をテーマに博物館を巡るなら、まず訪れたいのが新潟県十日町市の十日町市博物館 TOPPAKUです。

最大の見どころは、もちろん国宝「火焔型土器」

国宝(写真は別の博物館で撮影したもの)

火焔型土器は、口縁部に大きく立ち上がる突起や装飾を持つ特徴的な土器です。

その独特な造形から「火焔型」と呼ばれていますが、実物を見ると、写真では伝わりにくい立体的な構成や装飾の細部にも目が向きます。

十日町市博物館では、常設展示「縄文時代と火焔型土器のクニ」において、国宝の火焔型土器をはじめとする地域の資料を見ることができます。

ここで興味深いのは、火焔型土器を単独の「珍しい土器」として見るのではなく、新潟県域の縄文文化の中に位置づけて見ることができる点です。

馬高縄文館とあわせて訪れたい

火焔型土器をさらに掘り下げるなら、長岡市の馬高縄文館も外せません。

馬高縄文館は、火焔土器が出土した馬高遺跡に隣接し、火焔型土器の成立や、その周辺にあるさまざまな土器について紹介しています。

十日町市博物館と馬高縄文館を訪れることで、

「火焔型土器そのものを見る」
から
「火焔型土器が生まれた地域の縄文文化を考える」

という、一歩踏み込んだ見方ができます。

山梨県立考古博物館|山梨県甲府市

装飾性の高い土器から、縄文人の造形を見る

山梨県は、縄文時代の遺跡が数多く残る地域。

山梨県立考古博物館では、県内の遺跡から出土した資料を通して、山梨の縄文文化を知ることができます。

土器を見るうえで注目したいのが、装飾の豊かさです。

縄文土器を「煮炊きや貯蔵に使われた器」として見るだけでは、その造形の特徴を十分に捉えきれません。

当時の人々が土器にどのような意味を持たせていたのかは、現在もさまざまな研究が続いています。

そうしたことを考えながら見ると、縄文土器の鑑賞はさらに奥行きのあるものになります。

浅間縄文ミュージアム|長野県御代田町

焼町土器に見る、中部高地の縄文文化

長野県御代田町の浅間縄文ミュージアムは、縄文土器そのものをじっくり観察したい人におすすめしたい博物館です。

常設展示では、縄文土器を「土と炎の芸術」として紹介しています。

なかでも注目したいのが、浅間山麓を代表する焼町土器

焼町土器と呼ばれるその縄文土器は、ドーナツ状の突起、曲線、点などで埋めつくされているのが特徴。

複雑な文様や装飾を持つ土器で、器面を追っていくと、縄文時代の人々が土器に施した文様の豊かさを実感できます。

ここで見ておきたいのは、単に「きれいな土器」として鑑賞することだけではありません。

どのような文様が、どのような位置に施されているのか。

口縁部と胴部で装飾がどう変化しているのか。

そうした細部を観察すると、土器の「形」そのものが持つ面白さが見えてきます。

縄文土器を少し専門的に眺めてみたい人にも向いている博物館です。

三内丸山遺跡センター|青森県青森市

円筒土器から見る、北東北の縄文文化

青森県を代表する縄文遺跡、三内丸山遺跡。

ここで土器を見るなら、ぜひ意識したいのが円筒土器です。

円筒土器(写真は別の博物館で撮影したもの)

円筒土器は、北海道南部から東北北部にかけて分布する土器群で、北東北の縄文文化を考えるうえで重要な存在です。

三内丸山遺跡からは大量の土器が出土しており、その資料からは、当時の人々の生活だけでなく、周辺地域とのつながりについても考えることができます。

新潟や中部高地の土器を見たあとに三内丸山を訪れると、同じ縄文時代でも地域によって土器文化が大きく異なることがよりはっきりと感じられます。

縄文土器を「地域性」という視点から見てみたい人には、ぜひ訪れてほしい場所です。

茅野市尖石縄文考古館|長野県茅野市

国宝土偶だけではない。八ヶ岳山麓の土器にも注目

茅野市尖石縄文考古館は、国宝「縄文のビーナス」と「仮面の女神」で知られる博物館です。

しかし、縄文土器を目的に訪れるなら、八ヶ岳山麓の遺跡から出土した土器にもじっくり目を向けたいところ

常設展示では、土器や石器などの出土資料から、八ヶ岳山麓に展開した縄文文化を紹介しています。

特に面白いのは、土偶と土器を同じ縄文文化の中で見ることができること。

「縄文のビーナス」や「仮面の女神」を見たあとに、その時代の土器にも目を向けると、土偶だけでは見えてこない当時の文化や生活について想像が広がります。

縄文土器と土偶の両方に興味がある人には、相性の良い博物館です。

加曽利貝塚博物館|千葉県千葉市

土器を「遺跡」と結びつけて見る

最後は千葉県千葉市の加曽利貝塚博物館

ここでは、土器だけを単独で見るのではなく、土器が出土した遺跡とあわせて考えるという楽しみ方をおすすめします。

加曽利貝塚では、縄文時代のさまざまな資料が見つかっており、土器についても地域の縄文文化を知る重要な手がかりとなっています。

そして「加曽利」という名前を聞いて、縄文土器好きなら思い浮かべるのが加曽利E式土器

土器の型式名に遺跡名が使われていることからも、加曽利貝塚が縄文土器研究において重要な場所であることが分かります。

博物館で土器を観察したあと、実際に貝塚を歩いてみる。

そうすることで、

「展示されている土器」→「その土器が使われていた縄文の暮らし」

へと想像を広げることができます。

縄文土器を見るなら、ここに注目

6館を訪れるときは、ただ「珍しい土器があるか」だけを見るのではなく、次のようなポイントにも注目してみてください。

① 形

深鉢、浅鉢、注口土器など、どんな器形なのか。

② 文様

縄文、沈線、隆帯など、どのような技法で文様が施されているのか。

③ 装飾

口縁部や胴部に、どのような突起や立体的な装飾があるのか。

④ 地域性

同じ時期でも、地域によってどのような違いがあるのか。

⑤ 出土した場所

その土器は、集落なのか、墓なのか、貝塚なのか。

こうした視点を持って展示を見ると、縄文土器が単なる「古い器」ではなく、当時の人々の生活や文化を読み解くための資料として見えてきます。

縄文土器を目的に、旅をしてみる

縄文土器は、遺跡や土偶と並んで、縄文文化の大きな魅力のひとつです。

しかも、実物を見てみると、写真では分からない立体感や表面の質感、細かな文様に気づくことがあります。

そして一つの土器をきっかけに、

「この土器はどこで作られたんだろう」
「なぜこの地域では、この形が発達したんだろう」
「この土器が使われていた時代には、どんな暮らしをしていたんだろう」

と、興味が広がっていきます。

「この土器を見たい」から旅先を決める。

そんなふうに縄文土器を旅の目的にしてみると、これまでとは少し違った縄文の楽しみ方ができるかもしれません。

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