2026年の北海道旅行で訪れた縄文遺跡のひとつ、高砂貝塚(たかさごかいづか)を紹介します。
高砂貝塚は、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産のひとつです。
海の恵みを利用しながら暮らしていた縄文人の生活を知ることができる遺跡でした。
今回は実際に高砂貝塚を歩き、A地点・C地点・D地点を見学。さらに、近世の遺跡や併設の「入江・高砂貝塚館」も見てきました。
高砂貝塚

高砂貝塚は、北海道洞爺湖町にある内浦湾を望む場所に残る縄文時代(約5,500年前〜2,800年前)にかけて営まれた縄文遺跡です。
同じ「高砂貝塚」でも、実は複数の地点から異なる時代の痕跡が見つかっています。
実際に高砂貝塚を歩いてみた
貝塚や墓坑が見つかったA地点
このA地点では、写真のように縄文時代後期(約4,000年前)の貝塚が見つかっています。
現在、表面に見えている白い貝殻は、貝塚の場所がわかるように置かれた現代のホタテの殻。
実際の発掘調査では、マガキやイガイなどの貝類をはじめ、オットセイなどの動物の骨も見つかっているそうです。

そして、A地点でもうひとつ興味深いのが、貝塚がつくられた時代よりも後の、縄文時代晩期(約3,000年前)の墓坑が見つかっていること。
ここは貝塚がつくられた約4,000年前だけでなく、その後も人々に利用され続けていた場所だったんですね。

大規模なC地点貝塚
C地点は、この遺跡では一番大きい貝塚でした。A地点と同様、縄文時代後期(約4,000年前)の貝塚です。

貝層の厚さは45cmと、そこまで深くはありません。
でも驚くのが、その広がり!
最大幅は約14m、長さはなんと約50mもあります。深さよりも、横に大きく広がるタイプの貝塚だったようです。
D地点
D地点は、A・C地点よりも新しい、約2,800年前の縄文時代晩期につくられた貝塚です。
同じ高砂貝塚の中でも、時代の異なる貝塚が残されているのが面白いところ。
同じ場所を歩きながら、時代の移り変わり(縄文時代の終盤)まで感じられます。

縄文時代だけじゃない?近世の貝塚も
同じ場所には、縄文時代だけでなく、1663年以前につくられた近世の貝塚も残っています。

「貝塚といえば縄文時代!」というイメージがすっかり染みついている私にとっては、これはちょっと意外な発見でした。
縄文人だけでなく、私たちが比較的イメージしやすい近世の人々も、同じように貝を捨てていたんですね。
この近世の貝塚では、ホタテが多く出土したとのこと。
当時のホタテは、和人との交易のためにアイヌの人々が採取したものと考えられているそうです。
縄文時代の貝塚を見に来たつもりが、近世のアイヌの人々と和人との交易まで見えてくるとは!
同じ場所に残された貝塚から、時代を越えて人々の暮らしや交流が見えてくるのが、面白かったです。
入江・高砂貝塚館へ
高砂貝塚を訪れた後は、入江・高砂貝塚館へ。
遺跡だけではわからなかった縄文人の暮らしや文化を、出土品を通してより深く知ることができます。
高砂貝塚の土偶がかわいい!

館内でぜひ見てほしいのが、高砂貝塚から出土したこの土偶です。
土偶というと、遮光器土偶のような大きな土偶を思い浮かべる人も多いと思いますが、実際には大きさや形もさまざま。
実物をじっくり見てみると、顔の表情や体の形など、それぞれに個性があります。
この子は髪型が特徴的で、とってもかわいい!(アンパンマンのクリームパンダに似ている…!)

実はこの土偶、2024年に開催された「縄文シティサミット in とうや湖」の記念モニュメントにもなっています。
高砂貝塚近くの駐車場に、かなりの存在感でドーンと立っているので、すぐに見つかるはず!
高砂貝塚を訪れたら、ぜひ土偶と一緒に記念写真を撮ってみてください📸
ベンガラ

高砂貝塚では、28基の墓坑が見つかっています。
ここでガイドさんから教えていただいて、特に驚いたのが、お墓にベンガラ(赤色顔料)がまかれていたということ。
さらに、近くの配石遺構からは、ベンガラが入った縄文土器も見つかっていて、館内に展示されていました。
「縄文時代のお墓に赤い顔料をまいていた」という事実だけでも驚きですが、実際にそのベンガラが入っていた土器まで残っていると、当時の人々がどのような思いで埋葬を行っていたのか、想像が膨らみますね。
アクセス
🗺️住所:〒049-5605 北海道虻田郡洞爺湖町高砂町52
📍 アクセス:
🚃洞爺駅(JR室蘭本線)から徒歩で約15分
🚗虻田洞爺湖IC(道央自動車道)から車で約10分
北海道の観光地や縄文遺跡は点在しているため、レンタカーでの移動がおすすめです。
世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」
高砂貝塚は単独で世界遺産になったわけではありません。
北海道・青森県・岩手県・秋田県に点在する17の縄文遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つです。
縄文時代の定住生活や精神文化を今に伝える貴重な遺跡群として評価されています。
まとめ
高砂貝塚は、縄文時代の貝塚や墓域だけでなく、長い時間にわたる人々の営みを感じられる遺跡です。
A地点・C地点・D地点を歩き、入江・高砂貝塚館で土器や土偶などの出土品を見る。
洞爺湖周辺で縄文遺跡を巡るなら、入江貝塚とあわせて訪れてみたい場所です。
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