大串貝塚@茨城県

縄文の学び場

この記事の情報は訪問時点のものです。実際に訪問される際は、最新情報を検索ください。また、縄文時代の真実は縄文人に聞かないとわからない(誰もわからない)ので、色々な説があるものが多いですし、その説も研究によって変わることがあることに留意してください。

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大串貝塚

2025年5月に茨城県水戸市の大串貝塚(おおくしかいづか)に行ってきました。

大串貝塚は、縄文時代前期(約5500年前)の貝塚で、
貴重な遺跡として1970年には国の史跡に指定されています。

正直訪問する数日前まで名前も知らなかった縄文スポットなのですが、
見どころ豊富すぎたので挙げていきます。

大串遺跡の見どころは、
1)最も古く文献に記されている貝塚
2)伝説の巨人「ダイダラボウ」
3)復元住居
4)埋蔵文化財センターかと思います。

公園は広くて、ピクニックしている方もいました

最も古く文献に記されている貝塚

奈良時代に風土記の編集が命じられ、茨城の地域でも
「常陸国風土記(ひたちのくにふどき)」の編纂がスタート。
その中に大串貝塚が記されており、最も古く文献に記された貝塚として有名です。

貝塚は、千葉県など東京湾東岸部が有名な地域かと思いますが、
最も古く文献に記された」という少し違った視点で有名なのは面白いですね。

大串貝塚として見学できるところは、公園の奥の方にあるので結構歩きます。

く、草がすごい…!笑

この石碑があるところは、台地にある常澄中学校の北東側の崖にあります。
よーく目を凝らして探すと貝らしきもの?を1つだけ見つけました。

草があんまりなくてよく見える季節はあったりするのだろうか…?

と思っていたところ、季節関係なく貝塚が見られる「貝層断面観覧施設」がありました。

こちらは近くにある埋蔵文化財センターの方に鍵を開けていただくと、
観覧することができますので、開館時間内に訪れることをおすすめします。

コンパクトな建物
土器がたくさんはいってた

特別史跡である千葉県の加曽利貝塚も「貝塚」で有名な縄文遺跡です。
こちらの記事もどうぞ。

伝説の巨人「ダイダラボウ」

大串貝塚の場所まで行く途中に、大きな「ダイダラボウ」の像が現れてびっくり…!!

しかも隣には縄文土器が添えてあります。

なぜ、ダイダラボウと縄文土器?

そう思った方、ちゃんと理由があるんです!

奈良時代につくられた『常陸国風土記』には、
大串遺跡にある貝塚についての不思議な話が記されています。

この場所、川からも海からも直線距離で数キロ離れていて、
「なんでこんな山の上に、こんなにたくさん貝殻があるの?」
と、当時の人たちも不思議に思っていたようです。

そこで登場するのが、伝説の巨人「ダイダラボウ」🦶

彼が大串(=大櫛)の岡から手を伸ばして海の貝をすくい、
バクバク食べて、殻をここに捨てた――というお話が生まれました。

もちろん、本気で信じていた人は少なかったかもしれません。
でも、「そんな発想ある!?」って思うほど自由で面白いストーリーですよね。

ちなみに、このあたり一帯は縄文時代の「縄文海進」の時代、
現在よりも海面が約35メートルも高かったと考えられています🌊

当時の人々にとっては、今よりもずっと海や川が身近で、
ここに住みながら海の恵みを受け取ることが、自然だったのかもしれません。

復元住居

公園内には復元住居も3つありました。

ゆっくり見る時間はありませんでしたが、写真は縄文時代の住居。
近くには縄文犬の像もあってかわいかったです。

住居の興味深い話は、神奈川県の三殿台遺跡でも書いているので、そちらもぜひご覧ください。

埋蔵文化財センター

貝塚を見て終わりではなく、学べる施設が同じ公園内にあるのがありがたい…!

埋蔵文化財センターの展示室に入ってすぐ、
縄文土器とびっしり敷きつめられた貝があります。

写真で伝わりますかね、いろんな貝があるのですが、
牡蠣の殻がたくさん…!

千葉県の加曽利貝塚に行ったときは、イボキサゴとかハマグリが多かったので、
やっぱり場所によって採取できる貝ってちがうんだなあと思いました。

しかも牡蠣なんて、とってもとっても羨ましい…!

ここで牡蠣欲が出てしまって、
帰りに那珂湊おさかな市場で生牡蠣を堪能しました☺️🦪

縄文時代中期の土器

展示の中で個人的に一番かわいかった土器がこちら!

胴部が東北地方の土器の特徴を、口縁部から頸部にかけては
関東の土器の特徴をもつ紋様が装飾されていて、
東北ー関東南部の間にある茨城だからこその縄文土器となっていて、面白いです。

以前、埼玉県立歴史と民俗の博物館の企画展を訪れた際に、
このような土器の特集がされていました。

縄文時代はおそらく土器をつくるのは女性の方が多くて、
離れた場所に嫁いだ際に、自分の地域の紋様と嫁ぎ先の地域の紋様を
組み合わせた土器を作ったのでは?と推察されていました。

面白い…!

この埋蔵文化財センターの展示は縄文に始まり、
近代までいろんな遺物が説明とともに展示されていましたので、
大串貝塚だけでなく、ぜひセンターの方にもお立ち寄りください(^ ^)

アクセス情報

大串貝塚周辺は観光スポットも豊富なので、車での訪問がおすすめです。

📍 〒311-1114 茨城県水戸市塩崎町1064-1(水戸市大串遺跡ふれあい公園内)
🗺️アクセス
 🚗車:大洗インターチェンジから約5分
 🚃電車:大洗鹿島線「常澄(つねずみ)駅」下車、徒歩約30分

周辺情報

大串貝塚から車で遊びに行きやすいスポットを紹介します。

那珂湊おさかな市場

生牡蠣で有名な那珂湊のおさかな市場は、大串貝塚からはなんと車で10分で行けます!

屋台で真牡蠣と岩牡蠣を平らげました🦪

また、もう一つのおすすめは、市場寿しというお寿司屋さんです🍣

特にエビとホタテはぜひ一度食べていただきたい!

「市場寿し」ネタの大きさも鮮度も最高

ほしいも神社

茨城県って干し芋の生産量が圧倒的に1位なのをご存知でしょうか?

そんな茨城にはほしいも神社があります。

ほしいも神社には、干し芋くじに、干し芋柄の鳥居、
干し芋の自販機など…干し芋に特化した神社があります。

有名人もたくさん訪れているようなので、お時間がある方はぜひどうぞ🍠

虎塚古墳

縄文好きは古墳好きも多いのではないでしょうか。

大串貝塚の近くには、壁画で有名な虎塚古墳がありますよ!

写真は最寄駅の中根駅の看板。古墳モチーフでかわいい

国営ひたち海浜公園

大串遺跡から車で約15分のところに、ネモフィラやコキアで有名なひたち海浜公園があります。

花で埋め尽くされた風景は圧巻です。

晴れの日は本当にいい写真が撮れますよ(^^)

4月中旬のネモフィラ

まとめ

  • 大串貝塚は、縄文時代前期(約5500年前)の貝塚で、貴重な遺跡として1970年には国の史跡に指定
  • 最も古く文献に記された貝塚として有名
  • 周りには観光スポットも盛りだくさん

みなさんも良い縄文旅を♪

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