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御所野遺跡
2025年6月、岩手県一戸にある御所野遺跡(ごしょのいせき)を訪れました!
この遺跡は、縄文時代中期後半(約5000〜4200年前)に営まれた集落跡で、復元された竪穴住居や配石遺構などから、当時の暮らしぶりを知ることができる貴重なスポットです。
御所野遺跡は、2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つとして世界文化遺産にも登録されました。
土曜・日曜・祝日の定時ガイドであれば事前予約なしでもガイドさんに無料で案内してもらえます。令和7年4月1日から、それ以外の遺跡ガイドが有料となったとのことで、ガイド希望の方は事前確認必須ですね。詳細はこちらからどうぞ!


見どころ紹介
3つの「むら」が教えてくれること

御所野遺跡全体では、800棟以上の竪穴建物跡が見つかっています。
御所野遺跡は、配石遺構を中心に東むら・中央むら・西むらの3つのゾーンに分かれており、計画的に配置されたむらであることがわかっています。
- 東むらは、未調査部分を含めると、 250棟を越す竪穴建物跡があると考えられています。また限られた場所で跡が重複しており、同じ場所で繰り返し建物がつくられていたと思われます。
- 中央むらは、遺跡全体の中心に位置し、土木工事が行われ造成された広場があります。配石遺構の周りには墓穴も見つかっており、墓地だったと考えられています。また、火を燃やした跡がいくつも見つかっており、中央むらは儀礼的な機能を持っていた可能性があります。
- 西むらは、100棟ほど竪穴建物跡があったと考えられています。火災にあったと思われる跡もいくつか見つかっています。保存状態の良好な消失跡であったことから、建物の真相に迫るため復元した建物を燃やすという火災実験も行われました。

土で覆われた縄文の家
遺跡内には竪穴住居が復元されていますが、実は御所野遺跡では、住居の屋根が「土」で覆われていたことが、1996年に行われた調査によって明らかになっています。
一般的に竪穴式住居は地面を掘り下げて作りますが、その際に掘った土を屋根として再利用していたようです。
これまで縄文時代の竪穴住居といえば、草葺きや木材で覆われたものが多く再現されてきましたが、御所野では焼け跡から土屋根の存在が確認され、全国の住居復元に一石を投じる発見となりました。
実際に現地で見られる復元住居は、しっかりとした土屋根を備えた独特の姿。自然と一体化するそのたたずまいに、縄文人の暮らしの知恵と力を感じます。




珪化木で作られた矢じり

御所野遺跡で出土した石器の中でも特に注目されるのが、珪化木(けいかぼく)を使った矢じりです。
珪化木とは、火山灰などで埋もれた樹木が長い年月をかけて石化したもので、硬く鋭利に加工できる性質を持ちます。御所野遺跡では、周辺の根反川などで採集できるこの珪化木が多く使われており、縄文人たちが道具に適した素材を見極め、使いこなしていたことがわかります。
地域に根差した素材と技術が見えてくるのも、御所野遺跡の魅力のひとつです。
御所野縄文博物館で深く学ぶ
屋外をたっぷり歩いた後は、隣接する「御所野縄文博物館」でさらなる学びを。

館内には多くの土器が展示されていて、土器づくりなどの体験コーナーも充実!
御所野遺跡に隣接する「御所野縄文博物館」では、遺跡で実際に出土した土器や石器、墓の構造、住居の焼失跡の詳細などが丁寧に展示されています。
復元模型やパネル展示もわかりやすく、縄文人の暮らしにまつわるさまざまな謎を学ぶことができます。スタッフの方によるガイドツアーもおすすめです。
館内には、グッズが充実したミュージアムショップがあり、ついつい色々買ってしまいました…!(後悔はなし。どれもかわいい〜)




アクセス情報
- 📍所在地:〒028-5316 岩手県二戸郡一戸町岩舘字御所野2
- 🚗車:JR東北新幹線「二戸駅」から約15分
- IGRいわて銀河鉄道一戸駅→ タクシーで約5分
公式サイトもチェックしてみてください(リンクはこちら)。アクセス情報についても詳細に記載があります。
周辺情報もチェック!
車で約10分のところにある、国指定特別天然記念物「根反の大珪化木」もぜひ立ち寄ってみてください。



写真では伝わらないですが、めちゃくちゃ大きいです。
博物館で見た石鏃の材料は、この川から運んできて作ったのかななど縄文人の生活を想像。
まとめ
- 御所野遺跡は、縄文時代中期の大規模な集落跡で、東・中央・西の3つの「むら」から成る
- 土屋根の竪穴住居が確認された、全国的にも貴重な遺跡
- 珪化木を使った矢尻が多く見つかっており、素材選びの知恵がうかがえる
- 世界文化遺産にも登録された、縄文文化を学ぶ上で欠かせない場所
みなさんも良い縄文旅を♪