【番外編】縄文土器をつくってみた!

番外編

この記事の情報は訪問時点のものです。実際に訪問される際は、最新情報を検索ください。また、縄文時代の真実は縄文人に聞かないとわからない(誰もわからない)ので、色々な説があるものが多いですし、その説も研究によって変わることがあることに留意してください。

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縄文土器とは

縄文時代に象徴的なものとして、縄文土器があります。

縄文土器は、縄文時代に土を焼いて成形された陶器です。「縄文」という名は、土器の表面に施された「縄目模様」から来ています。

縄文土器は、時期や地域ごとに特徴的な文様や形状をしており、当時の文化や暮らしを知る手がかりになっています。

縄文時代を代表するものとは?
縄文時代で特徴的なのは、「住居」「土器」「弓矢」です。
ある程度の定住がはじまり、土器があることで煮炊きが可能になり、弓矢を使うことで今までよりも遠くの動物を捕まえやすくなったと考えられています。

縄文土器の作り方

そんな縄文土器を作ってみたので、作り方を紹介します!

が…!

わたしは縄文土器作り教室で縄文土器を作りました。実際作ってみて思ったことは、自分一人だけで作るのはかなり現実的ではないです。粘土を作るところから焼成するところまで、テクニックが必要ですし、用具等の準備も難しいと思います。

なので、皆さんも縄文土器を作りたい!と思ったら、縄文土器作りイベントなどを検索して参加するのをオススメします!

ざっくり工程
  • 工程1
    作る土器の図面を用意する

  • 工程2
    土器をつくる
  • 工程3
    土器に模様をつける
  • 工程4
    乾燥させる
  • 工程5
    土器を焼く

作る土器の図面を用意する

まず粘土を用意する作業が必要ですが…粘土から作ろうとすると、粘土の採取、乾燥、粘土・砂・水を混ぜてよく練る、という結構骨の折れる作業とのことです。

なので、今回は準備いただいていた粘土を使って、まず作りたい土器の図面の用意からスタートします。

正面・側面から寸法がわかる図を用意して、各寸法に対して、1.15倍した値をメモしておきます。
土器は焼くと収縮するので、収縮してしまう分大きく作っておくのがポイントです!

土器をつくる

縄文土器をつくるときのポイントは3つ!

輪積みする、隙間を埋める、模様をつける、です!

輪積みは、まず底を作った後に、写真のように伸ばした粘土棒を一段ずつ積んで、指でしっかり馴染ませていきます。このときに隙間をたくさん作ってしまうと、乾燥や焼成する時の割れる原因になります。

輪積みの様子
隙間ができないように、(当時も使えたであろう)指や貝、棒などでなめらかにします。

先生が作っているのを見ているだけだと一見簡単そうに見えるのですが、実際に自分で作業してみるとすぐに粘土が乾燥して伸ばしにくくなったり、時間が経つと自重でどんどん器の上部が外にでろんと広がってきてしまったりで難しい…

わたしが手を洗いに行っている間に、見かねた先生ががっつり手直ししてくれていたのには笑いました。

土器に模様をつける

形作れたら、次は土器に模様をつけていきます。

縄目の模様があることが縄文土器と言われる所以ですので、個人的には一番楽しみにしていた作業でした。

縄文原体をコロコロと土器に押し当てて、縄目模様を作っていきます。
コロコロする向きによって模様も反対になるので、お手本と同じものを作る場合は向きにも注意が必要です。

あわび型土器にコロコロクルクルと縄目模様をつけました

使った縄文原体の写真を残念ながら撮り忘れてしまったので…、縄文原体を詳しく知りたい方は厚沢部町郷土資料館市の方が作成された記事がわかりやすいと思います。

縄文原体の他にも、竹の棒や貝なども使いました。

乾燥させる

縄文模様までつけ終わったら、しっかり乾燥させます。

乾燥させる作業も大事です。土器に水分が多く含まれていると、焼いた時に割れやすくなります。

今回は焼成まで約1ヶ月程度の期間を空けて、しっかり乾燥させました。

のんびりじっくり乾燥を待つのが大事です

土器を焼く

土器を焼く時も、水分をできるだけなくすことが大事です。

なので、まず火床を作って土器を焼く場所の土から水分を抜いていきます。

その作業と同時に、土器に残っている水分を少しずつ抜いていくため、火床の離れたところから土器を置いて、徐々に火床に近づけていきます。ざっくりこの作業に2時間くらいかけました。

土器はかなり熱くなるので、耐熱の手袋があると安心です。

次は土器を火床の中に入れます。一気に焼き上げる前に土器を温め、さらに水分を抜いていくためです。温めるうちに土器がどんどんと黒くなっていきます。

Before
After

土器を覆うように薪をうまく積んでいきます。

徐々に薪に燃え移るので、600~900度で一気に焼き上げます🔥

土器を焼く温度
縄文時代は、このような野焼きで600度という比較的低温で焼かれたため赤褐色のものが多く、縄文自体以降より高温で焼く技術が進んでくると、褐色で薄く堅い土器が作れるようになっていきます。

赤褐色になってきたら取り出します。

なんと、熱いうちに擦った松の葉と一緒に入れ物に入れておくと、黒くできる魔法!
わたしはしっかり黒くして、縄文土器の完成です!!

黒い土器が青空に映えます

まとめ

いかがでしたでしょうか?

工程や道具のハードルが高かった縄文土器作り。それでも、当時の縄文人に近い方法で作ることができて、大満足の体験となりました!

みなさんも良い縄文土器作成体験を見つけて、良い縄文活動を♪

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